一昨年の秋にカシオPV-7にTMS-RGBを付けたときにTwitterに投稿したんですが、この投稿に返信をいただきました。Ian Scottさんというアメリカにお住まいの方で、ご自身のプロジェクト「TMS9118 to TMS9128 Adapter」のご案内をただきました。大変興味深いハードウェアでしたので、ここでご紹介したいと思います。

TMS9118 to TMS9128 Adapterのgithubリポジトリによると、TMS9118搭載のMSXにTMS9128とTMS-RGBを載せるためのアダプタで、基板上にTMS9118とTMS9128でCPUCLKピンの位置の違いを穴埋めする配線と、Y、R-Y、B-Yのプルダウン抵抗が載っています。TMS9118を抜いたり、抜いた跡にソケットをつけたりする改造は依然として必要であるものの、基板上でCPUCLKのパターンを追いかけまわしたり、基板のパターンをカットしたり、CPUCLKをリード線で引き直したり、基板裏にプルダウン抵抗貼ったりといった作業が不要になり、TMS9118に戻すのも簡単で大変魅力的です。基板作成業者に基板を作ってもらう手配をしないといけないのが難ですが、手筈をご存知の方は試されてはどうでしょうか。私はガーバーデータから基板を作ってもらったことがないので、チャレンジしてみたいと思います。

また、この基板レイアウトを応用して、TMS9918-TMS9928アダプタやT6950-TMS9128アダプタも作れるんじゃないかと思ってます。TMS9918-TMS9928アダプタは基板のサイズを引き伸ばして、水晶発信器を付けると収まりがよさそうです。また、T6950とTMS9128は似たような信号が出てるピンが多いのですが、配置が違う箇所がそこそこあるのでMSXの基板上でリワークするとすごくしんどいんですが、下駄で配線組み替えたらきっとスマートに実現できます。

最後におまけ。TMS9118 to TMS9128 Adapterの銅箔層の画像。本体に刺さるピンとTMS9128が刺さるピンが0.1インチオフセットしてレイアウトされています。左からTMS9128の1-20ピン、本体側の1-20ピン、少し右に行って、TMS9128の21-40ピン、本体側の21-40ピンです。基本的にはTMS9128と本体とで同じピン番号を直結しますが、TMS9118とTMS9128でピンアサインが違う35ピンから38ピンに特別な配線がされています。TMS9128と本体の38ピンが接続されていないので、本体のコンポジットビデオ端子から映像信号が出なくなるように見受けられます。

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